ネトゲー依存

よくネトゲー依存とかインターネット依存などという病名が、医学的な基準でも検討されはじめている。そこで、少し古いが、2003年のヤフーチャットの「鬱部屋」のフィールドワークをした人の本を紹介したい。かという、私も以前は、ヤフチャにいて鬱部屋にもいったことがある。大体10人ぐらいで、世間話をしていた。だが時たま、自分が置かれた状況について真剣に語り出す人がいて、そういう人をフォローするかのように、みんな励まし合っていた。『チャット依存症候群』の著者の渋井氏もそのようなセラピー空間を描きたかったのだろう。4人に実際会ってインタビューを試みている。

たとえば、この本に登場する4人の中の1人であるリスカ&ODの理香子さん(17歳)は次のように語っている。

「チャットはみんなとつながっていると感じる。寂しがりやなんだよね。ネットで知り合った人が亡くなったということの現実逃避だったのかも。それに、そのころは気分が落ち込んでいた」(p.26)

理香子さんは、チャットだけで他全くやる気をなくしているらしい以下のようにも語っている。

「どうして日記を更新しないか、って。だって、チャットばかりしているし、日記を核にしても、Yahoo!チャットのことばかりになっちゃう」(p.26)
「いつでもどこでもだれかと話していたい」(p.27)
「もうチャットに依存しています。それはほかにやることがないからだし、現実逃避をしたい、ってことからです。チャットでもがいて、何かを探しているけど、何を求めているかはわからない」(p.27)
「チャットをしないと一日が落ち着かない、一種の安定剤です」(p.30)

などなど、チャットに依存していることを自覚しているような語りを語っている。これは、SLにはあまり見られないコミュニケーションだ。そもそもメンヘルスカテゴリーがSLにはない(あるいは少数なので)、病気のカミングアウトは鬱部屋よりはやりづらいのだろう。

さらに、カテゴリー間のそのような雰囲気の違いによってやはり病気の語りが左右されているということが分かるコメントもあった。
アダルトチルドレン(拒食症、自傷行為)の美智さん(36歳)の事例だ。

「私は『出会い』のカテゴリは利用しませんでした。出会い系のサイトのようなものが好きじゃないので。というのも、出会い系サイトは使ったことがないんですが、過去にテレクラを利用したことがあったんです。そこで嫌な思い出があるんです」(p.118)
「結局、男の人とは会いませんでしたが、時間をテレクラ利用に取られました。電話をしていないといられなくなり、生活がおかしくなっていたんです。それは嫌だなと思って。まるで中毒のような状態でしたが、自制してやめました。会ってなくても『男狂い』のようなきもしたので・・・」(p.118)
「話のなかに入っていけた感じがしました。落ち込んだ時の慰め合いとか、愚痴を聞いていたりしていました。自分が心の傷をもう癒しているという意識だったので、慰めてほしいという気持ちはありませんでしたが、仲間に入れてほしいと思ったんです。ただ、話の内容には共感できても、自分が相手に何かをしようとは思わなかったですね。とりあえず、居場所にしちゃおう、って」(p.119)

美智さんは、過去にテレクラ利用をしていてそのときのトラウマが出会い系を避けたのだろうと思う。実際、出会い系はナンパが多くIM(ヤフーではPMという)がたくさんはいってくる。さらに美智さんは、チャットは病気のカミングアウトや相談が目的ではないと指摘している。この点は、2chやニコ動の弾幕とか「繋がれてないと不安欲求」がすでにこの時代からもあったことを証左してるように思う。


この本の、大きなテーマは依存だけど、これはメタバースの世界にも言えることだと思う。ログインしてないと不安になるなんてことはSLを空気のように思っているオレなんかからすればもはや当たり前の感覚でこの感覚が依存であるとは思わない。だが、この本のあとがきのある社会学者に言わせれば、「辞めようと思えば、いつでも脱却できるのが本当の自由であり、辞められないのは不自由な人間だ」と指摘している。以下、要旨を引用してみる。

選択肢が存在して抑圧もないのに、選択能力や選択原則が欠落するので選べないという「不全感」に悩む者は、能力や原則を欠いた自分自身を責めがちであるのみならず、選択肢の多い環境から、選択肢の少ないーゆえに迷わずにすむ―環境に退却しがちになる。(p.201)


「チャット依存」の機能的本質は、
①責めを自分に負わせる自虐的存在が、
②ノイジーな社会から脱却し、
③自己情報制御の容易な空間に巣篭もりすることで、
④責めの重荷にもかかわらずコミュニケーションに踏みだし、
⑤一定の自己像を維持する(以外に尊厳の方法がない)というところにある(p.203)。
私たちの社会が「チャット依存症候群」に見舞われるのは、必然的なことだ。正確ないいい方をすれば、みながみなでないものの、一定割合の者が「チャット依存」によってかろうじて尊厳を維持するしかなくなるという状況は、まったく必然的にもたらされた。〜中略〜いままでチャット依存を知らなかったり、知っていても偏見を持っていなような、生きづらい人たちには、「チャット依存も『あり』なんだ」と思っていただき、自由になってほしい。しかしまた、すでにチャット依存する人たちには、自分がチャット依存以外の方法で解決する可能性を含めて、もっと多くの現実的な(つまり選べる)選択肢を手にしてほしい(pp.203-204)。


これは、6年も前の話(本)だが、基本的な状況は何も変わってないと思われる。むしろ、3Dのリアリティあるアバターという自己投影し易いメディアを手に入れた我々は常に匿名的な繋がりを求めSLにログインする毎日を過ごす。しかも、ヤフーチャットのメンタルヘルスカテゴリーでされている当事者同士の相談といった目的のある集団がどんどん解体されていき、目的なく繋がるコミュニケーションメディアがいまウケている。このことが我々にもたらすものはいったいなんなのだろう。このことについて、若手社会学濱野智史http://d.hatena.ne.jp/shamano/)が斬新な指摘をしている。


参考:『チャット依存症候群』 渋井哲也 20030715 教育史料出版会 p.205

Second lifeに思うこと

ネタがベタになっているのはちょっとどうかと思うので、プロフ編集しました。んで今回はそのことについて思うことをちょこっと書いてみる。

SLやナビスルはとても不思議な空間であり、ネタとかベタとかを考えなければならない世界だ。つまり、問題はこういうことだ。RL/SLとの線引きはどこにあるのかというのは人によって違うので、人によっては「SLなんてネタなのにベタにリアルの情報流してんじゃねぇよ。夢がつぶれるだろ!」なんてツッコミいられたりします。反対にこういう批判もあるでしょう「SLもRLと同じ論理で動いているのだからリアルの情報ださないとダメだ(あるいは、リアルの自分の持ってる属性を偽るのはダメだ」なんて言われたりもします。(これは、ネカマ問題がそうであり、就業規則としてアバターと同じ性別を求めるクラブやカフェがちょくちょくSLにもあります)



さてこの、ネタとベタの関係をどのように処理していいのか。年齢、誕生日、血液型、出身地、天気予報、RLの趣味、仕事、学校(所属学部)、ニュースネタ、さて、どこまでSLで発言することが許されるのか。
こんなこというと、「そんなのはTPO次第で使い分ければいい」と切って捨てられるかもしれないが、それはオレのようにコンテクスト(空気)よめない人間にとってはこれがなかなか難しい。
しかし、人間はある事象や現象に対して「大体こういうもんだ」というあたりを付けているわけで、そこのところの「そもそも論」がわかってないとTPOもなにもありはしない。

たとえば、外国で自分の国の言葉が通じると思いこんでいる人A君の事例を考えてみよう。
英語圏においても当然訛りは存在する。イギリス英語かアメリカ英語か、西訛りか東訛りかそういう差異が存在する。当然A君は、そのような訛りに関しては無頓着だし、そもそも英語をわかってないのでそういう差異を分かっているはずもない。
海外で母国語が通じると考えている人は、そういう訛りよりも、何故言葉が通じないのだろうか?思い悩むだろう。このような問題が、RL/SLの区分け問題にも存在する。

特に、こういう混乱は私だけに限った話ではなく、Second lifemeet-meなどのメタバースと言われる3Dの世界を体験した人間なら誰しも感じるはずである。なぜなら、同じMMORPG(http://ja.wikipedia.org/wiki/MMORPG)でも、リネージュやFFなどは環境的に闘いが目的であるし、RMT(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%...)が禁止されており現実と仮想世界の往復運動ができてないものも多数存在するからだ。むしろ、second lifeのようにこのような現実世界との往復運動がある程度実現しているほうが特殊事例だと考えるべきだろう。

たとえば、最近ではamazonが求人を出したり(http://www.secondtimes.net/news/japan/20090710_amazon.html)、一国の大統領がSLで演説したり(http://www.secondtimes.net/news/world/20090624_portugal.html) しているようである。

だが、一方でこういう調査もある。
http://www.hakuhodo.co.jp/pdf/2008/20080229.pdf
これによると、日本のユーザーのセカンドライフを楽しむ理由として、「違う自分になれるから」(日本26.5%・海外17.9%)が、海外ユーザーよりも非常に多いらしく。また、ユーザーが参加するセカンドライフのコミュニティー内にはセカンドライフを始める以前からの知人はゼロに近く、日常生活のリアルな人間関係を持ち込んでいないこともわかりました。つまり、仮想世界は仮想世界としてリアルの自分の状況や属性に拘束されたくないと考える人間も多いらしい。

こういう一般のウェブコミュニケーションが行われつつも、そうではないゲーム(SLでの店や人物についての話題)のコミュニケーションも同時並行して行われている。このダブルバインドの状態がこれからも当分の間続くだろう。

一つだけ言えるのは、私たちがsecond lifeのようなメタバースで遊ぶ時、常に「RL/SL」の区分けを気にして自分の発言のコントロールに意識的になっている点で、この点は面白い部分だと思う。
つまり、アバター的自己/RL的自己 の分裂を個人がゲームにおいて体験することで、より一層そういう分裂を個人が意識してしまうということだ。

おそらくこの分裂においてもたらされる帰結は、決してメタバースにとって明るい未来ではないと思われる。特に、最近指摘されているがネットで形成される集団的な力はあまり現実社会で機能しなくなってきている。ネットはネット。現実は現実。という風な古典的な二文法がメタバースのゲームでより強調されてしまい、アマゾンやポルトガル大統領といったメタバースに一石投じるような人たちの努力を無駄にしかねない事態だといえる。

youtube赤字の件

http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-10098420090717

広告収入モデルはこのように赤字で喘いでいた。この記事は、近い将来に黒字化するらしいが、他の動画サイト(たとえばニコ動)などがまだ赤字だし、ここもそうだが、広告モデルだけでウェブマーケティングを行うのも無理はあるだろう。

ウェブは、よく消費者からすれば無料の楽園と言われるわけだけれど、消費者が無料で使えるには誰かがお金やコストを支払わなければならない。ようやく、youtubeレベルの世界規模のサイトが黒字化するということは我々にウェブマーケティングの希望を与えると同時に、ウェブで儲けるためには世界で通用しなければならないという失望も与えないだろうか。

総務省が、最近やった調査で、2008年のブログ・SNSの市場規模を調査したものがある。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/16209.html
それによると、

 2008年度のブログ市場規模は、約160億円と推計。関連市場も含めると、約1961億円と推計。
 2008年度のSNS市場規模は、約499億円と推計。関連市場も含めると、約568億円と推計。
 なお、2010年度のブログ市場規模は、約183億円、2010年度のSNS 市場規模は、約717億円となると予測。


である。
2年後(今からだと1年後)にブログは23億SNSは118億増加している。
一応、増加傾向にはあるようだ。

少し前の記事だが、ニコニコ動画もまだ赤字で今年中の黒字化を目指していると今年初めに表明している
http://www.j-cast.com/2009/02/07035580.html

しかし、これも個人的にはかなり怪しいと思われる。動画の著作権が厳しく問われ始め、ニコニコ動画youtube(とくにニコ動はひどい)は、アニメ・映画・ドラマ・音楽などの著作権コンテンツを規制をバンバンかけている。

だから、最近は、韓国のパンドラやYoukuやVeohなどのサイトに動画が流れつつある。

Wassr(ワッサー)

Wassr(ワッサー)というツイッターによく似たウェブサービスを知ったのでそれについてちょっと考えてみた。

Wassrとは、ウィキってみると

「個々のユーザが「ヒトコト」を投稿し合うことでつながるコミュニケーション・サービス。
各ユーザは自分専用のページをもち、255文字以内でヒトコトを更新する。更新の際に画像を添付することも可能になっている。画面には、自分以外に登録した知人や、つながりのあるユーザなどの投稿も、ほぼ同時に表示される(みんなのヒトコト。タイムラインと呼ぶ人もいる)。更新したヒトコトに対して知人などが応答することや、気に入ったヒトコトに対してイイネボタンを押すことでコミュニケーションが生まれる。
応答として更新したヒトコトには応答元のヒトコトも添えて表示されるため、第三者がみてもコミュニケートのやりとりが分かりやすいのが特徴となっている。投稿ごとに個別のURLが割り当てられ、個別URLのページには応答として更新されたヒトコトも一覧化して表示される。」
(http://ja.wikipedia.org/wiki/Wassr)

このサービス、「Second Lifeにも対応するTwitter」ということで、2007年6月にリリースされており、「Second Life内へのテレポートリンクつきで投稿が可能。Second Life内での会話は、そのままWassr上にも反映され、バーチャルな世界と現実をつなぐことができるとしている。」ということだ。
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,2...

どうやら、ツイッターと基本同じらしい。しかし、差異もかなりあるようだ。

1、イイネ!はTwitterのFav(お気に入り)にあたる機能が、便利
2、レスが追いやすい(Blog形式で発言に対するレス )
3、未読レスがあることが一目で分かる
4、興味のあるチャンネルに登録すると、Ch登録ユーザーの発言がタイムラインに入って来る。
5、画像やYoutube動画などが発言内で表示される。
6、携帯サイトが使いやすい
7、Second lifeと連携している
http://de-lab.com/article/nice-wassr/

1と5がよくわからないので噛み砕くと、要するにこういうことらしい。


1について
Wassrは、mixiのコミュニティによく似た「チャンネル」があり、書ける文字数も250文字(Twitterは150文字)と多めになっていて、少々込み入った話もできるようになっている。発言にレスすることもできるが、レスするまでもない発言には「イイネ」マークを付けられる。mixiでの発言のように、読み捨てされるのも寂しいけど、多数のレスにいちいち返事をするのも面倒というジレンマがない。」
http://japan.techinsight.jp/2008/09/200809180945ganryuuji...

5について
Wassrの良い点として、You Tubeの映像とAmazonの商品説明が、ダイレクトに貼れるということが挙げられる。Twitterだと単にクリッカブルURL表示にしかならない。」

このことによって、ツイッターよりもユーザビリティが高く見やすいインターフェースになっているようだ。
http://japan.techinsight.jp/2008/08/200808211000ganryuuji...


うーん、いろいろ違いがありすぎて分かりづらい。要するにおおざっぱにいってこういう違いがあるらしい。

Twitterは、現在のところメッセージ交換に特化したサービスであるのに対し、Wassrのほうは音楽や映画など特定のテーマに基づいたチャンネル内でのつぶやきや、親しくなった人とのプライベートトークなども可能になっている。この辺、Wassrのほうが、よりSNS的で新たな友達も増える機会が多い。」
http://japan.techinsight.jp/2008/08/200808071554ganryuuji...

なかなか、ネットユーザーは高く評価しているようである。しかし、wassrよりもTwitterが良いというユーザーも居る。それは以下の理由によるものである。

1、ユーザごとの発言アーカイブが10前後しか残ってない
2、wassrミニブログではなくチャットの変形。
http://nishioka-blog.com/2008/07/twitterwassr.html

引用は、現在Twitter利用者なので、Twitterになれているというのも加味して考えると、やはり今からどちらが良いか?と言われるとwassrかもしれない。

現状日本では、少なくとも、Twitterよりwassrのほうが流行っている。その理由としては、以下のような事情があった。

「きっかけはYappo氏というエンジニアのブログである。「Twitterはもう終わった、wassrやってなくて良いのは幼稚園児までだよね」というエントリーが話題となったことでブレイクした。松野氏とYappo氏は数年来の友人。あるとき松野氏が、ふと軽い気持ちでWassrをブログで紹介してくれるようにYappo氏に頼んでみたところ、本当にブログ経由でユーザー数が増えていった。このエントリーをきっかけとして、なんとWassr用のクライアントソフトを作ってくれる人まで現れた。」
http://japan.cnet.com/blog/staff/2008/07/12/entry_27012193/

ブロガーのネットでの、情報伝播力ってやっぱり無視できず、だからブログのマーケティング分析なんかが流行ってるんだぁとつくづく実感しました。

3次元仮想空間を使ったバーチャルモール「まちこ」

3次元仮想空間を使ったバーチャルモール「まちこ」というシステムを知っているだろうか。

日本がまだブロードバンド化するずっと以前(テレホーダイの時代)、1997年4月1日。

「まちこ」というメタバースが行政主導の元で誕生した。

この計画には、NTTデータが主体になって通産省(現在の経済産業省)が数億円というカネを出して、いまのセカンドライフのようなメタバースを作ろうとしていた。(まちこは純日本製だが)

面白いのは、「まちこ」のターゲットは、情報に敏感で、購買行動が活発な25〜35才の女性であった。今のセカンドライフのユーザーの層も同じ層であり、メタバースは女性に親和性が高いということなのかもしれない…。

付記:ちなみに、「まちこ」の実験的サービスは98年2月末で終了して、正式サービスに入ったらしいが、実験当初1万人の登録者を集めたユーザーは、正式サービスに入ったら4分の1(つまり2500人ぐらい)になったらしい。

参考:
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/970331/ma...
http://www.nttdata.co.jp/release/1997/033100.html
http://www.rm.is.ritsumei.ac.jp/~tamura/maindoc/community...
http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/19990415/N...

インターネットサービスは企業主導である。

ツィッターとかいまさらなんだけどね。

http://sankei.jp.msn.com/economy/it/090719/its09071912280...

で、遠藤さん以下のようにコメント。

ツイッターの持つ手軽さと束縛のなさは、ネットユーザーにとって居心地のよいつながり。速報性もあるので、メディアとの親和性が高い。今後もネットユーザーを取り込むツールとして活用されるだろう」と話している。

さらに、「津田る」でご存知、津田さんのコメント

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0907/01/news062_2....

「シンポジウムの発言などは、講演の著作物になるのではと考え、いろいろ調べている。報道目的で実況したり、要約をうまくやれば白に近いグレー、中継に許可をもらえば完全に白だろう」

うーん。この手の話ってツィッターに独自のものではなく、mixiの日記でも可能だったはずで、アーキテクチャの属性云々より、より企業のマーケティング戦略に我々が乗っかっていっているような気がします。

というか、そもそもウェブログにしたところで日記と同じような機能なわけだし、違うのはリンクを貼る手間やHTMLを覚える必要がゼロなだけです。

youtubeやらツィッターやらミクシーやらはすでにあるようなネットのインフラを使って、独自の使い方を大衆に提供し、それを流行らせて儲けてるとしか考えられない

こういうウェブサービスの分離化も一方で趨勢としてあるが、統合の流れも一応存在する。少し古いが以下の記事。

http://journal.mycom.co.jp/news/2008/02/29/008/index.html

FriendFeed」というソーシャルサービスをまとめるためのソーシャルサービスという一段メタったサービスが提供されているらしい。(日本verはまだなし)

このシステムなかなかおもしろそう。アマゾンやらSNSやらツィッターやらを一元管理しかつその、履歴をわかるようにしたサービスらしい・・・

が!

登場して1年あまり、受けはあまり良くないらしい

http://jp.techcrunch.com/archives/20090406friendfeed-is-i...

FriendFeedの開発チームは絶えず新しい機能を付け加えている。全体として絶対に成功してよさそうなサービスに思える。しかしどうやら水平線に暗雲が漂っているようなのだ。FriendFeedは「すばらしいが誰も使わないアプリ」になる危険性があると私は思う。」 

何故流行らないのかは疑問だが、濱野(2008)が指摘してるように、いろいろなサービスを匿名のIDでコミュニケーションする気軽さみたいなものを、IDの一元化はつまらなくしてしまうのだと思う。こういうサービスは利便性が高い半面、「いろいろな匿名的な自分になれる感」を激しく低減させる。

まー、その時代の便利で合理的な商品が一番良いとは限らないといういい証拠ですね。たとえば、日本が作ったトロンとか、マック(OS)とか。

ユーザビリティ やパインやギルモアがいうような経験経済として経験を売れるようなものじゃないと人は使ってみないわけですね。

ニコニコ動画が出会い系化している件

ニワンゴが運営する、ニコニコ動画の中の「ニコニコ生放送」というサービスが出会い系化しているとネットで騒がれている。

ニコニコ動画は、無料会員1227万人、その中で有料会員は32万9千人に上り、日本で最大級の動画共有サービスである。

ニコニコ生放送」というのは、ユーザーがウェブカメラなどを用いて、自らの顔や動画をリアルタイムに配信できるサービスである。

この、「ニコニコ生放送」でアニメや同人ゲームといった動画コンテンツを共有しオフ会を主催しているらしい。たとえば以下のようにオフ会が実施されている。

「都内の施設を借り、200人以上集める大規模なものもある。ここでは「ニコニコ動画」でお馴染みの「踊ってみた」企画やダンスタイム、異性装コンテスト、カラオケ、怖い話しなどが予定されている。参加費は1000円で午後8時に解散する。」

ニコニコ動画が出会い系化して何が問題なのだろうか。どうやら、原因はニコニコ動画のユーザーの年齢層にあるらしい。つまり、未成年ユーザーが多いのだ。

ニコニコ動画」の参加に年齢制限がないため、「オフ会には未成年が多いのでは」といわれている。これが「出会い系」という憶測を呼ぶ原因の一つになっている。」


実際に、未成年と不倫関係にあった人妻がいた。

「「ニコニコ動画」に共同で動画を制作しアップしていた、29歳の主婦と18歳の男子高校生が不倫関係に発展。主婦と夫が離婚するという騒動がネットで大きな話題になった。」

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/comp/n_nicovideo2__...

さらに、未成年のユーザーがタバコ、キス、乳をもむなどの公序良俗に反する行為を動画で晒している。

↓以下写真つきアーカイブ
http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/51988943.html

なんで、ニコニコ生放送で出会えるかというと、方法はいたってシンプルのようだ。

「動画のキャプション部分にmixiURLやブログURL、メールアドレスを書き込んでおけばいとも簡単にコンタクトが取れてしまう。」
http://news.livedoor.com/article/detail/4263477/

2ちゃんねるにも、顔を晒しているユーザーをリスト化し晒しているユーザーもいる。2ちゃんねらーには、ウケがいいようだ。


200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/07/23(木) 23:00:22 id:L66tuI6m0
出会い系コミュをまとめて見た。

gdgdとか内容に使いスカイプや地域、歳などを晒し
出会いを求めてそうなニコ動コミュ

コミュアド 性別|歳|地域

http://ch.nicovideo.jp/community/co53865 ♂ ? 福岡
http://ch.nicovideo.jp/community/co53861 ♀ JK 大阪
http://ch.nicovideo.jp/community/co53854 ♀ 16 ?
http://ch.nicovideo.jp/community/co36328 ♂ ? ?
http://ch.nicovideo.jp/community/co36328 ♂ 21 大阪
http://ch.nicovideo.jp/community/co53824 ? 16 関東
http://ch.nicovideo.jp/community/co53816 ♂ 14 北海道
http://ch.nicovideo.jp/community/co53736 ♂ ? 徳島
http://ch.nicovideo.jp/community/co53717 ♂ 17 ?
http://ch.nicovideo.jp/community/co53620 ♀ ? 神奈川
http://ch.nicovideo.jp/community/co53618 ♀ 15 関東
http://ch.nicovideo.jp/community/co53587 ♂ ? ?
http://ch.nicovideo.jp/community/co53571 ♂ 19 神奈川
http://ch.nicovideo.jp/community/co53539 ♂ ? 埼玉
http://ch.nicovideo.jp/community/co53359 ♂ ? 関東
http://ch.nicovideo.jp/community/co53357 ♂ 23 ?
http://ch.nicovideo.jp/community/co53228 ♀ ? 愛知
http://ch.nicovideo.jp/community/co53120 ♂ 21 奈良

http://pc12.2ch.net/test/read.cgi/streaming/1244698418/


考察:

ニコニコ動画もそうだけど、ネットのサービス自体が見知らぬ他者と出会う可能性を秘めたツールで、ミクシやらチャットサービスもことごとく出会い系化してきた歴史がある。大体にして、健全な「ママさんたちの子育てサイト」なども出会い系化しているのだし、ネットの出会い系化に批判してところであまり意味はない。問題は、未成年者問題だ。

ニワンゴの対処方法は、二つ考えられる。

1、未成年を最初から弾く
2、公序良俗に反する動画を削除しアップしたアカを削除する

などであるが、2はただでさえ赤字のニワンゴには期待できないだろう。なぜなら、「ニコニコ生放送」はリアルタイムであり管理をするには監視が何人も必要になってくるだろう。つまり人件費の増大を招くので、結局1にならざるをえない。

でも、私は1を失ったらニワンゴは固定客をある程度失うことになるのではないかと思う。ニコ動=未成年多い としたら、有料ユーザーも未成年が多いはずである。

どちらの対策をするにしても、ニワンゴは今後、「ニコニコ生放送」などで事件(たとえば、少女誘拐とか)が起きた時、その対処に手痛い要求〈対処)を突き付けられそうなことは間違いなさそうだ。